「不明な点」(2018)

all songs written and mixed by アベシュンスケ

additional musicians
Drums / アキヤマテツヤ
Bass / アイタナオシ
Piano,Rhodes / ぼ(グッバイボーイズ)

アベシュンスケ / vocal,chorus,guitar,key,
banjo,metallophone,recorder,tambourine,etc.

recorded and mixed at
東部エンジニアリング , 音楽室
jan.2018 – sep.2018

mastered by 原 朋信 (cafe au label studio)
art work by suppa micro pamchopp

 


 

1. Peach ID

星の形にひび割れた
鏡の向こう伸ばした手
ボリュームを上げて 遠く逃げろ
エレクトリックなめまいに乗ってゴー

出来の良くない生き物の
都合良すぎる頭でさ
寂しげに浮かぶ シャボン弾け
ひとりぼっちのクチビルが歌う

オーイエー 桃の匂いで
回路 はみ出して光る
千年 かき混ぜちゃいそうな
魔法が渦巻いてる

忘れた頃に忘れてく
思い出せない思い出を
追い越した風が 撫でる産毛
まあ間違いなく正しくはない

そして 桃の匂いで
いつも 振り出しに戻る
「変でかまわない」って笑う
呪いが手招いたら

 

2. 冷たくて静か

夜の窓枠
冷えた小箱の中

友達じゃなく
特別な力で

月は既に僕の正体を見破って
青い蝶を飛ばす
触れたらすぐに消えた

左の胸に
ゆっくり当ててみた
先割れスプーン
悪魔の武器のように

骨の影が砂漠みたいだねって
楽しい夢の呪文
唱えたらここは

抜け殻で作った気球が浮かんで
透明な痛みと罪を見下ろしてる

 

3. サーフ

まっさかさまに 見上げた空
羊達をかき分けて 旅に出よう

くるみボタン もぎ取る季節
めくるページ火をつけて 残る文字

おめでとう

甘い坂を 滑り落ちて
花の底で 生まれ変わる
もうちょっとさ もうちょっとさ
ベロの上漕ぎ出す舟
飲み込まないでね

やっぱり君は 夢と同じ
生意気な男の子 痩せっぽち

ありがとう

甘い坂に しがみついて
闇の調べ 耳をすませ
もういいかな もういいかな
海から巻き戻る雨
ちゃんと返してね

 

4. mizucage

ゆらめくタイル 水の記憶
読み取るクロール 市営プール

あてのないカラダで ひとつ育ててた
いびつな果物 化石になるまで
君の隣を泳ぐ

とても似ている 真面目すぎる
寂しいクロール ぽつり進む

約束しないでも ここで会えるから
水底の光を 七色に分けて
沈めた影を染める

遠い渦の流れを今 断ち切る
肺の奥で産まれた歌 口ずさむ

 

5. れもんぶるー

浮かんで 疲れて ありふれて
遠くに運ばれて

ごめんね ゆっくり 文字化ける
手紙のようなもの

ベイビー そっちの 君はどう
なんで こんなこと 想う
夕暮れキッチンテーブルの
れもんれもん 転がった

結んで 開いて 確かめて
冬の通りを歩く

ため息 あわてて 吸い込めば
古い未来の味

ベイビー もう少し先へ行こう
だいぶ変わってしまっても
あの瞳でしかってよ
たぶんたぶん 大丈夫

同じ場所へと終わるなら
寂しくはないぜ

ベイビー もう少し先へ行こう
ほとんど忘れてしまっても
夕暮れキッチンテーブルの
れもんれもん 転がった

 

6. bone again

お告げだ 南空
妖しい満月が浮かんだ

墓石 蹴飛ばして
もう一度オイラを集めるよ

あばら骨の隙間を
風がヒュールーリー
血も涙もないから
優しくなれそうさ

懐かしい 坂道を
狂った歩幅で駆け上る

ドクロいっぱい詰め込んだ
甘い金平糖
先っぽまでシビれたら
目覚める動物さ

お告げだ 南空
妖しい満月が浮かんだ

懐かしい 坂道を
狂った歩幅で駆け上る