「paper boat piper」(2006)

all songs written , played , and mixed アベシュンスケ

recorded and mixed at
oct.2005-aug.2006

art direction : asobiba factory

 


 

1. あかねが丘

遠くでおしまいのギター
小さな宿題はまだ

影のない 真夏日の
奥で摘んだ 花を持って
逃げよう 果てまで

下り坂 なすがまま
うまくできた カラダ一個
遊ぼう 底まで

 

2. north marine monster

ひとりぼっちだ
疑いもなく
国道に灰色の空

入江に向かう
車の中で
口笛は煙と変わる

ひとつ落ちた雨粒が きっと合図だろう

風邪をひく順番を ひとつずつ確かめて
溶かした悪の薬
やがてただ水の中 それもまた素晴らしい
汚れた右手で 鼻をすすれば

ありふれたストーリー
挿んだ栞
無造作に抜き取る怪物

ずぶ濡れのまま
見つけたお前
よく似ててわからなくなる

骨の傘を振り回し ずっと踊ろうか

交じり合う輪郭の 暖かさ感じたら
初めて優しくなる
海に降る雨の中 夢で見た色を見た
ふらつく足取り 多分平気だろう

 

3. ルコ

うまくしゃべれない女の子
青い髪を結んで
細くとがらせた鉛筆で
月の形なぞった

へんちくりんな夢がまた 空回り
こんがらがった糸の先 火をつけた

カラダ脱ぎ捨て
効かないおまじない
くり返すだけ
ポカルポカルラ

うまくしゃべれない女の子
君は僕を嫌いで
嘘をつけなくてよかったね
君は僕を嫌いで

果物が駄目になる その様を
ずっとここで見てるだけ 大丈夫

鏡の前で
取り返しつかないこと
あくびのふりで
何を隠すの

君の姉さんに借りた紙の舟
闇に浮かべて
ポカルポカルラ

 

4. 三つ編み泥棒 

カプセルを揺らせ お告げ通り
もうすぐにそれはこぼれるだろう
戻らない 手遅れだ
四月七日 曇りのち雨

なんだか不思議と落ち着いてる
誰にも言えない時をつくる
新しい いい匂い
四月七日 曇りのち雨

頼りない僕の正義も
靴箱の中 息を潜めた
だから ほら ためらわないで
もってけ もってけ

大切なものをしまう場所は
生き物ならばそう変わらない

いつか見た僕の未来は
空の果てまで 昇る煙か
だから 今 遠慮しないで
運べ 運べ

 

5. もう図書館へは行かない

instrumental

 

6. スプラッシュ

そして太陽が 時の葉脈 透かす季節
長いマフラーで隠すジョーカーもういらないや
君に今すぐ会いたいな
君に今すぐ会いたいな
体の中で何か弾けた
まだ間に合うはずさ

雪解け道 赤いバスが走って行く
転ばないように歌うマスターピースもういらないや
君に今すぐ触れたいな
君に今すぐ触れたいな
いじめっ子のように笑っておくれ
鎖骨をふるわせて

いつかぼやけるハイな言葉か
でもね聴こえる でもね聴こえる

 

7. 月光石鹸 

そういうことか
全部決まってたのか
謎は遂に解けたのさ

屋根の上残った
僕の丸い骨が
さようならだよって笑う

月光石鹸で
あわあわあわ

遠い昔に
想像してたよりも
ずっと素敵な気分さ

君の顔がちょっとだけ
浮かんだけれど
もう 何も言えないよ

月光石鹸で
あわあわあわ

 

8. 窓

ひとり分の明かりを点けて
水槽に顔を寄せたら
チョコレイトで釣り上げた冬の魚
目玉光らせた

いつも変な泳ぎ方だね
自分でもわかっているんでしょう
UFOから放たれた暗号のように
心かき混ぜた

たまたま それが全てか
黙ってないで何か話してよ
モノクロームの綱渡り映すテレビ
明日晴れるかな